南沙良
何ひとつ快調じゃない日常のなかで、乾いた感情は不安や閉塞感を助長させる、と思います。 そんな鬱屈した世界を踏み潰して進もうとする彼女たちは、無軌道で危なっかしくて、どうしようもなく愛おしく感じました。 傷を負っても走り続ける姿は本当に輝いていて、演じていてその力強さに救われる瞬間が何度もありました。 刹那的な疾走感に、身も心も委ねながらとにかく走り抜いた撮影期間だったと思います。 この作品が「どこへも行けない」と感じてしまう私たちに確かな力を与えてくれるものになっていると信じています。
出口夏希
脚本を読み終わった後、とても痛快な気持ちになり、このような役を演じた事がなかったので、美流紅を演じられる嬉しさと、面白そう!という気持ちが湧いてきました。 撮影は、同世代の方々とお芝居させていただく事で刺激を受けながら、日々、美流紅を作り上げていけたかな。と思っています。 悩みはたくさんあるけれど、人生を変えたくて一発逆転にかける高校生活。 後先考えずに真っ直ぐに突っ走る不適切な青春物語です。 この痛快さと彼女たちの行く末をぜひ感じていただきたいです!
吉田美月喜
原作の小説を読ませていただいた時、衝撃を受けました。 青春に対してのモヤモヤや違和感が頭の中でばちばちと弾け散る感覚でアドレナリンが止まらなかったです。 いいとか悪いとかじゃなくて、ただひたすらにいきいきとしていて楽しそうなキャラクター達に釘付けになります。 私が演じた岩隈真子は、口も悪いし陰気なところがある子ですが、朴秀美と矢口美流紅と一緒になって渋々ながらも楽しそうにしている姿はとても輝いています。 この作品に学生時代に出会っていたら私の人生もまた変わっていたかもしれないです。 そして、世の中にこの作品が出るのが、楽しみで仕方がありません。 この子たちの最高で最悪な高校生活を是非観ていただけたらと思います。
羽村仁成
岩隈真子の後輩で高校1年生の化学部員・藤木漢を演じました、羽村仁成です。タイトルとは裏腹に登場人物たちは、『万事快調』とは言いがたい日々を送っています。それぞれに鬱屈を抱えながら、衝動的で無鉄砲で、でもどこか真っ直ぐに“今”を生きようとする彼らの姿は、学生の方はもちろん、かつて青春を過ごした大人の方々にもきっと響くはずです。みんなちょっと不器用で、ちょっと危なっかしくて、でも本気で何かを変えようとしている。その姿が、なんだかすごく愛おしいんです。笑えて、刺さって、心がざわつく、唯一無二の物語です。ぜひ劇場で、万事快調な僕たちの青春物語を目撃してください!
金子大地
児山監督とは『猿楽町で会いましょう』という作品で初めてご一緒させていただき、今回は前作とはまた違ったアプローチで挑みました。 児山監督の演出と現場の温かい空気のおかげで、リラックスして楽しく撮影に臨むことができたと思います。 たくさんの方に届く作品になれば嬉しいです。ぜひ劇場でご覧ください!面白いです!!!
監督
児山隆
思い返してみると、僕にはいわゆる「映画みたいな青春」はなかったと思う。 陸上部には入ったけれど3ヶ月も続かなかったし、誰かに夢中になってこっぴどく失恋するようなこともなかった。 「青春」なんてものは、たぶん、もっと選ばれた人たちのものだったんじゃないかと少なくとも当時の自分は思っていた。 教室の隅っこで、漫画やアニメ、映画や音楽にばかりふれていた。 それらの中にしか自分の居場所はなかったし、誰も知らないものを知っているという、ちっぽけな優越感でなんとかバランスを取っていたんだと思う。 この映画は青春時代がただ過ぎ去っていくことを指を咥えて見ていることしかできなかった男が監督した「青春映画」だ。 あの頃好きだったもの、逃げ込んでいたもの、救われていたもの、全部詰め込んだ。 そうやってできた「万事快調」は、あの頃のひねくれた自分が観てもきっと面白いと言ってくれる映画になったと思う。 そうか、自分にもちゃんと青春があったんだ。 それはきっとこの映画を撮るための。 とまあ、なんだかそれらしいコメントはこの辺にして…、 超絶スーパーおもしろカッコいい映画が爆誕したんでみんな絶対観てね!!!!
OCHAN
(NIKO NIKO TAN TAN)
この度、主題歌を担当させていただきますNIKO NIKO TAN TANです。制作チームから「青春」をテーマに楽曲制作のオファーをいただき、映像や原作を拝見して、女子高生の諸刃の剣的な青い疾走感と、作中のモチーフである緑を重ねて碧色をイメージに制作しました。青春をテーマにするということが自分自身の中でも新鮮な体験で、バンドにとっても大切な一曲に仕上がったと思っています。映画とともに楽しんでいただけたら嬉しいです。劇場公開をお楽しみに!
原作
『万事快調〈オール・グリーンズ〉』
(文春文庫)
原作:波木銅
満場一致で松本清張賞を受賞、21歳現役大学生による規格外のデビュー作として話題に。 ユーモラスでオフ・ビートな文体が癖になる、中毒性120%のキケンな青春小説。
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